(2つの)中国伝統芸能鑑賞記

Sunday, June 01, 2008

所謂男人…

魚晩児とビョーキのおいちゃんの関係を、見るとはなしに復習してみたのだが…。

ビョーキのおいちゃんと逃亡生活を続ける晩児。
しかしおいちゃんは、イイときにはいいのだが、壊れているときの壊れっぷりったら、見ていてとっても清々しい(笑)
でもって、それなりに晩児の行末について案じている。
いるのだが…。

「あたしは身体健康だし、なんだってやって生きていけるわよ」

そんな晩児に「ずっと一緒にいるから…」というビョーキのおいちゃん。。。
そんな、今の状態でそんなこと言っても、そりゃ“生涯ヒモ宣言”ですがなthink

で、こんな時のパターンなのかもしれないが…

2008611
「キミに」 「あたしに?」
2008612
「あたし…お金の方が好きdollar

いいぞ~晩児good
そうだそうだ~、お花なんてもらっても、ナンの役にもたたんわなぁ~smile
ワタシはとりあえず、ケーキがいいわぁ~cake
好きよ、正直な女の子ってheart04

しかし、そこは流石に1000年以上生きてるビョーキのおいちゃん。

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「お金好きなのは知ってるけど、花も好きかも…って。。。」

晩児ちゃんの切り返しにも、泰山のごとく動じることなく言ってのけたビョーキのおいちゃん。
そして、そのままポイッと足元に花を捨てるのだ。

おいちゃん、ちゃんと最後までメンドーみる覚悟もないままに、花を手折ってはいけません。
ちゃんと毎日お水を替えて、しっかり栄養もあげて、お世話してあげないと~tulip

なのに、「好きよ!花も好き!」と、晩児にその花を拾わせてしまうあたりに、脚本書いた人のドリームを見た気がしたりして。。。

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Monday, May 19, 2008

それは犯罪です…。

近頃は、ネットでナンでもお買い物が出来てしまう。
ムカシはファックスで注文して、しかも一月近く待たなければいけなかった台湾のお人形劇のDVDも、注文後一週間ほどで届いてしまう。
便利になったものだが…送料が高い!
それもこれも、全部燃料代が高騰しているせいだ。
イラク戦争以降、まったくロクなことがない。

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で、こちらがその届いたDVDだが、20枚入っている↑。
それも、こんな風に入っている。

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DVD保護のため?、それは分厚い冊子仕立てになっているのだが・・・限りある資源を無駄遣いしてはいけないと思うのだ。
しかもこのお話のオープニングと言ったら、日本の堺港から大軍が出撃するところから始まっている。
その前のお話が、「天下布(ママ)武」の名のもとに、平和令…ぢゃなくって「禁武令」と言うのを出し、時の皇朝に臣従しない武力をもった組織や武芸者をなで切りにするといった、どっかで聞いたことがあるオハナシなのだ。
続いてくるのは、やっぱり大陸出兵なのね…。

というわけで、なんとなく痛くもない腹を探られているような内容に、胸騒ぐ思いがするのであるが、それ以上に気になっていたとある二人の関係がここにきてイッペンに明らかに…。

魚晩児ちゃんは、そこそこ良家の子女なのだが、金勘定に長けたしっかりもの。
ふとしたことで毎日お酒を飲んで楽しく暮らしてる人たちの仲間になり楽しくやっていたのだが、ある日そこが悪者に襲われ、晩児ちゃんはそこに厄介になっていたビョーキのおいちゃんと逃亡生活を送ることに…。

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手弱女のはずの晩児ちゃんだが、ビョーキのおいちゃんを背中に背負って疾走したりするから、ジツはケッコウな怪力の持ち主。
で、彼女が病阿叔と呼ぶビョーキのおいちゃんというのが、ホントにかなりぴーなビョーキなのだ。

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危ない所を助けてもらったおじさんちでおびえるビョーキのおいちゃん。
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よしよしでなだめる晩児ちゃん
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「この人たちはワルモノぢゃないのよ」

こんなどーしよーもない、しかも酒びたりのビョーキのおいちゃんだが、ジツは昔仲間だったワルモノの姦計で心が壊れてしまったのらしい。
長い逃亡生活で、すっかりビョーキのおいちゃんに情が移ってしまった晩児ちゃん。
で、イロイロあって心移植までして、このビョーキのおいちゃんは元気になってしまうのだが、そこでめでたしめでたしになるかと言うと、おいちゃんはビョーキだった頃の記憶は全くないとのたまう。
晩児ちゃん、ショ~ック!
が、これはおいちゃんのオトナの分別と言うやつで、流石に正気に戻ったら、晩児ちゃんのような妙齢の女の子を連れ歩くのは良くないと思ったらしい。
なんたっておいちゃんは、400年だか600年だか生きてるような人から「前輩(=先輩)」と呼ばれちゃうようなトシなのだ。
そりゃ、許されんやろ。

しかし、晩児ちゃんは、「あたしのこと、覚えてるわよね?」と、命を的につめよって、とうとうそれを認めさせてしまう。
このあたり、しっかりものの晩児ちゃんに追い詰められていくビョーキのおいちゃんという二人の関係が、ジツに小気味良い。
で、結局のところ、この二人はそういうお付き合いをすることに…なったん?

そんなトコロで二人の物語はさておいて、ビョーキのおいちゃんの大活躍が始まってしまった。
ワタシ的には二人の関係の方が気になったのだが、如何せん、ビョーキのおいちゃんが活躍しないとお話が前に進まないらしいのだ。

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ビョーキが治ったビョーキのおいちゃんは、実はなんちゃらいうすごい剣の使い手だった。
で、ムカシ自分を追い詰めたワルモノを、正義の皆さんと一緒に追い詰めていく。

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なんだか良く分からないが、ジツはとっても強いのだ。

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山は崩れ鬼は啼き神はほえるという大技を出して、宿敵のワルモノを追い詰めるビョーキのおいちゃん…。
しかし、そこはイロイロあって、次のお話へと続いていくことになるのだが、その戦いが済んだところで、おいちゃんは仲間をほっとらかしてソソクサとどこかへ行ってしまう。
で、そのおいちゃんが行ったところというのが…。

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正気に戻った後も、やっぱり晩児ちゃんはビョーキのおいちゃんを“ビョーキのおいちゃん”と呼んでいた。
「ちょっと、様子を見に…。」
そんなおいちゃんを、「もう様子は見たんだから、さっさと仲間のトコロに帰ったら!」と剣もホロロの晩児ちゃん。
お茶の一杯も出さないのだ。
え?ちょっと待って!

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それは、ナンだ?
何時の間にそんなことに…sweat02

なのに、晩児ちゃんは、「この子は他所の子よ!」と言い放ち、しかも知ってか知らずか出て行った父親を慕って泣く赤児に「泣かないの! あんたは大侠客の娘なんだから!」と叱る。

…その種の女性は既に絶滅したと思っていたのだが。。。

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Friday, December 15, 2006

リソウのおボーさま

女王さまお気に入りの台湾の人形劇、ここいらでは人形劇といえば子供が見るものだと相場は決まっているが、これはR15指定間違いなし!である。
人形が肉片となって飛び散ったかと思えば、人倫に悖るちょ~キチクな破廉恥もあり、よい子にはとても見せられたものではない。
しかし…今日見たワンシーンには、いたく感動させられた。

Pili1向こうからおボーさまが二人、静かに会話しながらやってくる。
キンイロはいかにもおボーさまだが、ボロボロになった血まみれのヒトも1000年以上修行を積んだおボーさまである。
話せば長いことながら、衆生を救うため敢えて自ら修羅道に堕ちるという、崇高な自己犠牲の因果で今はこんな姿になっているが、もとはこんなカンジの銀色パンチパーマなのだ↓。

Photo_24

え?同一人物なんですか?
そりゃまた…なんとも申し上げようが…。

で、話しの中身はこうである。

Pili2銀「無情絶情は忘情断情に非ず、人間の痴迷に暁ならざれば、渡生只これ空談なり。」

金「なんじ心を動かしけるか」

Pili3




銀「心動かずんば、いずくんぞ以って衆生の心知暁したるか、苦に入らずんば、いずくんぞ以って衆生の苦明瞭たるか、かって提起せずんばすなわち放下することあたわず。」

Pili4金「遍苦を嘗め、諸劫を歴し、愛憎を知り、因果を悟り、大道を得、涅槃を証す、これ試練…。」


…おボーさまのおっしゃることは、ムツカしくって今一つよく分からないが、要するに銀色のおボーさまは、衆生と一緒に地獄に堕ちて、それを救う道を選んだのだのだわ、きっと…。

ああ、お布施の中身のことしか頭にない今どきのボーズどもに聞かせたい!

そういえば、女王さま宛に来たメールに、このキンイロパンチパーマのお人形の画像が大量添付してあったのだが…はっ! 若しかして女王さま、“次はこのお人形を”とか思っていらっしゃる???

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Monday, October 09, 2006

周仁献嫂

豪華キャストによる渡台公演DVD、今日は周仁献嫂を鑑賞。

嘉靖年間(1522~1566)の出来事だとか、杜さん一家が厳崇という権謀家に陥れられて、杜文学(周明仁)は辺境へ飛ばされることとなった。
杜文学の奥さん(程青)は、兄弟の契りを交わした周仁(葉少蘭)のところに逃げ込んだのだが、厳崇の弟厳年(曹理)は、周仁を呼び出して、栄達をぶら下げ、杜文学を助けたければ、美人で名高い奥さんを妾によこせと追い詰める。
困った周仁、帰って奥さん(許嘉宝)にそのことを話すと、奥さんは激怒!夫をなじるが、夫の窮地を救うため、自らが身代わりとなって厳年のところへ行き、厳年を刺殺しようとしてはたせず、自刎して果ててしまうのだった。
杜夫人が自殺したとを聞いた王四公(楊志剛)というおいさん、これが杜文学とは旧知の仲で、辺境に送られる前の杜文学にそのことをチクる。
そして、その足で周仁のところへ行き、傷心のあまり腑抜けになった周仁をしこたまぶつのだが、杜夫人が止めに入って真相を知り、杜夫人をかくまうことになる。
辺境へ飛ばされた杜文学はそこで大功を建て、皇帝陛下のお覚えめでたく凱旋、積年の恨みを晴らそうと、厳年一味と周仁を幕営に引っ立ててこさせる。
周仁はもう廃人同様で、歩くのも覚束ない状態なのだが、盟兄の凱旋を知りちょっと元気になるも、杜文学に問答無用で棒で殴られ気絶、そこへ杜夫人を連れた王四公がやって来て真相が露われ、杜文学の周仁に対する誤解は解けるが、周仁は盟兄夫婦を見て、我が妻の既に亡いことに改めて傷心するのだった…。

ストーリー的には、とにかく周仁がふがいないというか、見ていて腹立たしい限りなのだが、そのくせこの周仁役はタイトルロールだけに見せ場・聞かせ所が多いのだ。
なさけないオトコの揺れ動くココロ、妻への想いと自責、その果てに重度のうつ病患者の様態を呈するなど、ジツに演じどころ満載、役者の力量が問われる芝居といえよう。
これを葉少蘭が演じるのだから、た…たまらん!である。
妻役は許嘉宝、葉少蘭のホントの奥さんなのだが、これがまた可愛らしさの中に芯のある声で、このコンビは呂布と貂蝉や梁山伯 と祝英台などでオナジミなのだが、恋人同士の駆け引きではなく、夫婦のあれやこれやというのにも、また違った味があっていいものね。
それでもって、「中国のオンナは強し!」を実感…。
老生の競演では、中音域は楊志剛のほうが好みだが、周明仁の高音域はスバラシイ!!!
惜しむらくは、DVDとは言え、VHSからダビングしたような画質と音声…。

ワタシ的には、葉少蘭が満喫出来てとっても満足な一本。
しかも、杜文学が凱旋して、誤解も解けて、厳年一味が処刑されても周仁の悲しみは決して癒されることなく、狂気を帯びた悲愴な高笑いで幕が閉じるところなど、安っぽい大団円にならず、思わず知らず、ホロリと涙がこぼれてくる。
葉少蘭の演技力だわ~と思う場面。
鎧を着けての派手な立ち回りはないが、ジツに見所の多い芝居なのだが…きっと、こういうのは日本では受けないと思っていらっしゃるのよね、京劇関係の方々…。

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Saturday, January 15, 2005

耐性菌まで出現!

今、女王さまが嵌っていらっしゃる人形劇のビデオを、見るとはなしに見ることが多いのだが、どうやらこのお話は、世界征服をたくらむワルモノが、ヒトを発狂させて死に至らしめるという、恐ろしいバイオ兵器を開発し、しかもそのワクチンは未だなく、対抗する連合軍?は、抗体を取るために脅威の人体実験を実施するが、人体実験の対称となったのが、孰もイロンナ宗教だの組織だのの実力者ばっかりだったものだから、気が触れた盟主をいただいて、血で血をあらう惨劇が・・・。しかも、エイリアンも狙ってるし、ソノムカシ宇宙の果てに放逐されたハズのワルモノまで、ドサクサに紛れて戻ってくるモヨウ・・・。そんで、やっとのことでワクチンを開発したと思ったら、ワルモノは新たな耐性菌を開発して、脅しをかけてくるのだった・・・、という、オソろしくえげつないものである。

言っておくが、これは時代劇である。喩えて言えば、N○Kの人形劇三国志の扮装で、内容はプリンプリン物語というところか・・・。しかし、その荒唐無稽さは、はるかにプリンプリン物語を凌いでいる。
いやはや、台湾恐るべし!

ナンでもタイトルは、霹靂九皇座というらしい。


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Saturday, October 02, 2004

畫龍點晴~京劇~

ワタシの記憶が正しければ、それは1993年頃の《中国京劇》に掲載されていたと思う。北京京劇院が発表した、新編京劇の記事である。詳しい内容は忘れてしまったが、タイトルは画龍点睛、唐の太宗李世民を主人公とした歴史劇で、主演は張学津だけ覚えていた。

張学津といえば、1992年の日中国交正常化20周年記念来日公演京劇三国志で諸葛亮を演じ、森本レオの声で「殿、ご決断を!」と言う、オオカタの日本人の諸葛亮イメージを粉砕して、一大センセーションを巻き起こした(←かどうかはギモンだが、かなりの衝撃であったことはタシカ)名優である。覇王別記でレスリー・チャンが演じたあの役に優るとも劣らないウツクシサと儚げな肢体、そして高い声を誇った名旦張君秋の息として生を受けた彼は、長じてオヤジのイロケ・・・もとい、未だ小学3年生の女子児童をも開眼させる、溢れんばかりのオジサマのマリョクを湛えた名生となった。(註:これは、惜しみない賛辞です)

当然ワタシも、張学津によって新しい世界を開かれてしまったコムスメの1人だった訳だが、その後この新編京劇画龍点睛を聴く機会はついぞなかった。あの、妖しげなイロケを振り撒いていた諸葛亮が、一体どんな李世民を演じるのか?
そもそも李世民についても、ジエット・リーがまだ李連傑と名乗っていた頃、初めて出演した名作少林寺に出てきた、酒戒を緩めるのに一役買ったオジさんという、これまた貧弱なイメージしか持ち合わせてはいないワタシだったが、以来龍衣を纏った恰幅のいいあの画像に出会うたび、なんとなく親近感を持って眺めてきたのである。

幸いにも今夏台湾へ旅行した折、数編の京劇のVCDを手にすることが出来た。その中にこの画龍点睛を見つけたときには、ちょっとうひょひょひょ♪モノで小躍りしたものである。そして今日、その他イロイロなVCDやらDVDやらを彷徨して、やっと画龍点睛に辿り着いた。前書きが長くなったが、以下、本題に入ろう。

唐王朝も太宗李世民の治世になると、各地の戦乱も収まり、一見泰平を享受しているように見える。李世民はそれを磐石のものとするため、諸臣に意見書の提出を求めるが、皆その政事を褒め称えるものばかり。そんななか、目の入っていない一幅の龍の絵が、李世民に呈せられた。じつはこれは、馬周という書生が画いた、李世民の治世に警鐘を鳴らすメッセージだったのである。

この絵に啓発された李世民は、親からの目で民情を視察しようとお忍びでお出かけする。途中馬が暴れて供とはぐれ、とある茶店で休息を取る。するとそこには不似合いなまでに見事な龍の画が掛けられているではないか。よく見ると、その絵は点睛を欠いた龍とまさしく同一人物の手になるもの、李世民は、その店が馬周縁の店と察し、店の女主人に馬周の消息を尋ねる。

そこへ、某県令が馬周を連れて登場、皇帝が馬周を厚遇しようとしているのを知り、女婿として一緒に栄耀栄華を極めようとのシタゴコロである。臨席しているのが皇帝とも知らず、権力と財力をちらつかせて馬周を懐柔しようとするが、馬周は頑としてそれを拒み通す。その執拗さに馬周は、ついに女主人を呼んで、彼女こそが15年来流離の身の上となっていた、自分の筒井筒の恋人であることを公表する。彼の県令の女婿となるよりは、再会したばかりの恋人と清貧のうちに一生を終えるとの決意に、李世民は二人の媒酌を買って出る。しかし県令はそれを阻み、二人を捕らえて牢に押し込めたばかりか、李世民にも辱めを与えたのである。

日が落ち足元の覚束なくなった長安路を、上着を剥がれ寒さに震えながら、空腹を抱えた李世民がトボトボと往く。彼はここで、県令の横暴によって虐げられた百姓の怨嗟を体感する。いかに制度を整えようと、皇帝の目は節穴だという痛烈な政治批判を上呈した馬周の憤り、またそのやり場の無い恨みに絶えねばならぬ民衆の悲嘆と苦悩に、やっと思い至るのである。

その翌日、突然聖駕が県令の下へ行幸した。県令は昨日のマヌケな男が実は皇帝であったと、その時初めて知って腰をぬかす。しかし時既に遅く、女店主は県令の無法な仕打ちによって最早虫の息、皇帝の前で自らの指を喰い破り、血の目を入れて息絶える。最後の言葉は、「君よ、やり場の無い民衆の憤りを忘れたもうな」

李世民は馬周を登用して、無能な管理が横暴の限りを尽くす現状を改め、唐代磐石の基とすることを誓うのだった。

このVCD、画像は悪く音は割れ、ところどころブチ・・・と切れたりして、コンディションは最悪である。唱を鑑賞するとかいうレベルのものでは全く無い。それでも、やっぱり張学津はよい♪ ナマモノの彼がもう一度見たいと、改めて思った。
 
しかし、字幕が歌唱部分にしか入らないのは、極めて辛い。にも関わらず、セリフの端々にウイットの効いた風刺が盛り込まれていることは、客席の反応からも伝わってくる。上に立つ者に目がなければ、権勢欲と汚職に塗れた官吏が蔓延り、民衆の怨嗟の声は決して届かない。しかし、民の中にはそのような怨嗟の声が鬱積しているのであり、上に立つ者は苦言に耳を傾け、官吏の選任を適正に行い、悲憤に倒れた民衆の声を、決して忘れてはならない。この新編京劇は、中国共産党中央部に対して発せられた、強烈な政治的メッセージなのである。

言論が厳しく統制されている情勢下において、政治批判を過去の歴史的事象の中に投影して発信する事例は、枚挙に遑が無い。1989年の天安門事件を経て約5年、そのような時期にこの新編京劇画龍点睛が上演されたという事実が、ワタシにとっては大きな衝撃であった。『中国京劇』にどんな論評が載ったのか、ちょっとやそっとでは見つけられない本の山をひっくり返して探してみようと思う。

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