« THE女装!またの名を絵にかいたような女装 | Main | Joël Robuchon氏に捧げるhommage »

Saturday, April 12, 2014

花が人を狂わせるのか、人が花に狂うのか~シャニダールの花~

4月7日から、BSプレミアムで『カーネーション』の再放送が始まった。
ジツはワタシは、よくある周防さん組の綾野剛ファンなので、周防さんの登場が待ちきれず、今から毎回録画予約。

だって、周防さんが出て来る頃に忙しかったりして、ついうっかり録画するの忘れたりしたら、これまたレンタルビデオ屋さんのお世話にならんならんやん…coldsweats01

あの伝説の(こればっかsweat01)周防龍一を語るのに、名前を言っただけではイマイチ思い出していただけないことがママあるのだが、ほら、あの「おいも好いとった」のヒトですよ~sign01

多分これで、何気にくだんの朝ドラを見ていたヒトでも、「ああ、はいはい~!」となったハズ…。

イケない恋に恋するお年頃には、あまりに美しすぎるドラマでございました…weep


その綾野剛の、ワタシ的今一押し『シャニダールの花』

はっきり言って、絶対に一般受けはあり得ない。
監督石井岳龍が構想に7年の歳月をかけた作品らしく、パズルのように散りばめられたヒントを寄せ集めて“解釈”していくことを見る者に要求している、多くは一回見ただけでは“よく分からない…”で終わってしまうであろう敷居の高い作品。

その作品世界に上手く入っていけるかどうか。
その鍵になるのが、決して美男×美女とは言えない主演の綾野剛×黒木華のラブストーリーに、ちゃんとシンクロ出来るかどうか、という点ではなかろうかと、斯様に思う次第である。

以下、ネタバレを含みます。

口コミの中には、どうして二人が突然そういう関係になったのか分からない、的なものが結構多かったようだが、伏線は早い段階から張り巡らされている。
ただ、黒木華の控え目な容姿(失礼coldsweats01)が、それらの伏線をますます深く埋めている感が無きにしも非ず…。

しかし、美月響子という役は、黒木華にしか出来なかったはずである。

何故ならば、地味な外見で一見大人しそうに見えるのだが、ズカズカと無遠慮に人の心に入り込み、それでいて本人にはその自覚全くなく、最後には自分こそが正しいと断言できる、たまにいる厚かましい勘違い大迷惑女のステレオタイプが、美月響子である。

これほどの難役を、さらりと見たら分からないけれど、しかしそれに気付いてしまったら鳥肌が立つほど毒々しく演れる他の女優を、ワタシは知らない。

黒木華、恐るべし…。
(黒木華で心当たりが無い方は、これまた朝ドラだが『純と愛』で純とオオサキプラザホテルに同期入社の性悪女田辺千香を思い出していただきたい。)

※注 以上は黒木華を貶しているわけではなく、女優として高く評価してのコメントです。

このヒロインに絡むのが、さほど優秀そうにも責任ありそうにも見えない、2.5~3線級のニオイが漂う花の研究者、大瀧賢治。

美月響子の天然とも計算ともつかない押しにいつのまにか飲み込まれ、気がつけば響子は彼にとって非常に大切な存在に…。

しかし、ここに絡んでくるのがシャニダールの花という、人体に寄生して咲くナゾの花。

大瀧と響子は、そのシャニダールの花牧場ともいうべき研究所で出会い、シャニダールの花を通じて深い関係になっていくのだが、このシャニダールの花というのがジツにクセモノ…。

この花を宿らせた美しき女性たちは、この花からある指令を受け取り、それを実行しようとする。
しかし、花牧場の管理下に育苗された花々には、一応研究倫理の壁が設けられている。

その研究倫理の壁を打ち破るべく花が選んだ母体こそ、ジツは美月響子だったのだ。

シャニダールの花から抽出される成分が画期的な新薬開発につながるという、崇高にして意味不明な研究目的の前に、あらゆることを飲み込んで花牧場で花の管理を担当していた大瀧は、オオモトのマッドなサイエンティスト所長ですら越えなかったその研究倫理の壁を平気でぶち壊そうとする響子を、研究者としての理性と恋人としての思いやりでなんとか思い止まらせようとするのだが、花に狂わされた響子には、そのほとばしり出る魂の説得も届かず、優しさゆえの強制執行をも全否定して大瀧の前から去っていく…。

この、毒気満開の黒木華と毒気を封印した綾野剛の絡みが、大瀧目線で実に切ない。。。weep

感情的になっているようで実は冷静に正しい選択をしている大瀧と、冷静なようでいて実は既に花のせいで狂ってしまっている響子とのコントラストが、実に物悲しく、痛々しい。

大瀧君、キミは間違っていないsign01

そして、大瀧はやはり間違っていなかったことが、やがて実証される。

しかし、時すでに遅く、ヒト(含大瀧)はまた、その花によって滅びの日へと導かれていくのだった…shock


いやいや、綾野剛の抑制の効いたなかにメリハリのある演技が素晴らしい。

言ってしまえば、ただ優しいだけの男なのだ、大瀧は。
しかし、その優しさを跳ね返すおそろしく強い女、響子。

外見に惑わされて油断すると、女にすべてを持って行かれるという、とってもコワいお話でした…。

いや、女一般というよりも、女は花を宿す母体であることが重要なのであって、そうするとこれもグレートマザー神話の一つとして解釈できるのかも…。

S51q8c2gh3rl

興味のある方は、まずは3回くらい見てみる覚悟でご覧くださいsmile

|

« THE女装!またの名を絵にかいたような女装 | Main | Joël Robuchon氏に捧げるhommage »

爛漫日記/観賞編」カテゴリの記事

~映画編~」カテゴリの記事

Comments

Post a comment



(Not displayed with comment.)




« THE女装!またの名を絵にかいたような女装 | Main | Joël Robuchon氏に捧げるhommage »