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Wednesday, February 05, 2014

まんさいまつり、開催中~オイディプス王 アテネ公演~

ギリシャ悲劇。

そのムカシ、ガッコの宿題で、ナンでもイイから1作品を選び、それに関するレポートを出せというのがあった。

レポートと言われても、だ。
ギリシャ悲劇に全く興味のないコムスメに、感想文以上のものが書けようか?
いや、書けるわけがないではないか!

ということで、とにかくなにか書くことになったわけだが、ナンでその感想文を書くか?

そりゃ、オイディプス王でしょう。

だって、一番分かりやすくない?

アポロンの神託に翻弄されるテーバイの王ライオスとオイディプス。
尊属殺人に近親相姦、火曜サスペンス劇場もマッサオの神の陰謀。

これも何かの縁に違いない…。

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と、言うことで、つい、ポチッっとやってしまいました、2004年7月3日アテネのヘロデス・アティコス劇場で録画された蜷川幸雄演出の『オイディプス王』。

「かわいそうに…。
自分が誰なのか、決して知らなければいいのに…。

かわいそうに…。
かわいそうに…。
お前には、もう、この言葉しか言ってやれない…。」

母にして妻であるイオカステが、我が子にしてその父を殺した夫たるオイディプスに向けて発する悲痛な呻き。

しかしそれは、決してオイディプスにのみ向けられたものではなく、人類に等しく突きつけられた、残酷な真理でもあるのだ。

麻実れい、素晴らしい。

母であり妻であるその両方の情愛を、見事に表現して実に気高く美しい…。

でも、ね。
いかにアポロンの神託が下ったとはいえ、生まれたばかりの我が子の踝を刺し貫いて足を縛り、キタイロンの山の中で殺せと命じる親も親だと思いません?
そんな鬼畜な親の所業の果てに、それと知らずに父を殺して母を妻にしたとして、いったい誰がオイディプスを責められよう…。

しかし、責めているのはオイディプス自身なのだ。
コトの起こりはアポロンの神託。
それがためにオイディプスは漂泊し、自身が知らねばよかった自身の出生の秘密に衝撃を受け、その運命を呪い苦しみ、それでもなお、妹にして娘でもある2人の子らに神に祈れと言い遺す。

ナニモンやねん、アポロンて…。

ギリシャの神というのも、相当に胡散臭い。

それよりも、死んだ夫とよく似た若い息子を夫にして違和感ない母って…shock

このオイディプス王の物語、フロイトにエディプスコンプレックスなる概念用語を提供してしまったが、問題はどう考えても両親の顔を知らない不幸な身の上のオイディプスにあるのではなく、夫を殺されてまだ日も浅いというのに、スフィンクスを倒してテーバイを救った、亡き夫と面差しの似た若い英雄を夫に迎えたイオカステやろ。

オイディプスは、ちょいと短気なトコロがあって、激情に任せてやり過ぎてしまうという性格的欠陥もあるが、その性格が災いして実は殺人犯というトコロは取り敢えず措いておいて、両親や妻、子供たちに対しては、今の時代においても天下万民ご尤もな倫理観を持ち合わせた、普通の男なのだ。

なのに何故、その普通の男が斯くも浅ましき畜生にも悖る大罪を犯さねばならなかったのか。
誰が彼にそうさせたのか。

それもこれも、全てはアポロンの神託のせい…。
アポロンの神託に惑わされ、我が子に斯くも苛酷な運命を背負わせた親の因果がその子に報い…。

その罪をポリスの市民たちにチクって白日の下に引きずり出すのも、またアポロンの神託ときている。

なんて悪趣味な神さまなんでしょう…。

萬斎は、相変わらず振れの大きい演技が目立っている気がする。
威厳に満ちた英雄的な王と下卑たチンピラの間を行ったり来たりするカンジ。

メリハリがあるといえばそうだが、その振れ幅があまりにも大きいので、その演技をどう解釈するべきなのか悩んでしまう。
それはまるで、2つの人格が宿っているかのようにも見える。

隠している本質的な人間の汚さ・脆さ、それを覆う装いとしての尊厳、そうしたものの間を往き来することで、オイディプスの人格は形作られている…とか?(←かなり好意的解釈coldsweats01)

…ハムレットも見てみよっかな。。。catface

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