« 北京、スイッチ入りました! | Main | 牛肉とイカの焼きそば »

Wednesday, February 03, 2010

孫文~100年先を見た男~

中華な映画仲間のかもめ先輩と『孫文~100年先を見た男~』を見て来ました。≫≫≫公式サイト

Fw:孫さん
写真提供 かもめ先輩

日本語があまり上手でない(笑)日本人との会話から始まるこの映画、日本に亡命していた孫文が国外退去処分になり、マレーシアのペナンへ向かう船上から本編(笑)スタート。

要約すると、マレーシアの華僑の親玉・アヘンの独占販売で肥え太った徐家の我儘な長女とその婚約者が、孫文とそのカノジョ(第二夫人)陳粹芬に出合い、大きく運命を変えていく、というストーリー。
原題は《夜・明》(深圳电影制片厂 珠江电影制片有限公司 2007)

U1584p28t3d1607021f326dt20070621132

日本を追い出された孫文が、マレーシアのペナンへ行って、そこで華僑連中相手に“義起”のための資金調達をするその間の愛情故事、というまとめでも可(笑)。

近現代史が鬼門のワタシにとって、孫文に“妻”が何人いようが知ったコトぢゃ~なかったが、今回のお相手は宋家の三姉妹ぢゃなく、陳粹芬という女性。
彼女は大ムカシの大竹しのぶ風で、楚々としていて黙々と男に尽す、けど芯の強いタイプのように描かれていた。
で、孫文を理解し支えているけど、心の中では実は孫文に革命を放棄して自分と穏やかに暮らして欲しいと思っているふうに描かれていた。

でも、実はカノジョ、“革命の女闘士”だったんだそうな。
インターネットって便利なモンで、ちょっと検索したら、2人のことを紹介してくれてる記事にちゃんと行きあたるのね。
资料:《夜·明》背景--孙中山和陈粹芬的故事

U1584p28t3d1572470f329dt200705272_2

孫文と三人の“妻”、真ん中がその陳粹芬。
気の強そうな美人で、如何にも“女闘士”というカンジ。
でも、この映画からはあんまりそんな雰囲気は伝わってこない。

というか、映画の作り自体にあんまし政治的なリアリティがないのよね。
孫文が語る理想も当たり前すぎて、“それだけでええんか?”な気がしてしまう。
埠頭で働く苦力に労働条件改善の団体交渉させたりしてるけど、苦力はみなガタイが良くって肥え太ってるし、交渉もあっけなくまとまりすぎちゃって、そんなことあるかい!状態。
で、この経験を通じて孫文が労働者階級を革命の同志として認識するかというと、やっぱり金持ちしか見てない風で、なんかこう、ナニが言いたいんやろ…なカンジ。
イギリス人の横暴に対抗するシーンでも、気持ちは分かるけど、実際のところそれでは説得出来んやろ…との感がぬぐえない。

中国の国際的な地位を高め、中国人が自らを中国人であると誇りを持って言える国を造りましょう!

言わんとすることは分かるけど、それがどういう国かというヴィジョンが全然出て来ないので、そやからナニがしたいねん!と思ってしまう。
孫文の著作を読んでる人なら、その辺りのことは“ああ、アレのことね”と思うのかもしれないけど、ワタシはそううぢゃないんだから、そ~いう無知蒙昧なヒトにもちゃんと分かるようにどうしたいのか言ってくれないと、“金は出せんぞ~!”なキブン(笑)

ということで、そういう方面に関しては、脚本家の力量がゼンゼン足りてないカンジ。
まぁ、これはワタシが“革命”という言葉に対してノスタルジィのようなものを全く持ってないせいでもあるかもしれないけど。
なんたって、ワタシたちの国は、タダの一度も革命を経験したことがないし、さ。
“維新”という言葉をrevolutionと訳すことはあっても、“維新”=revolution=“革命”ぢゃないのよね。
なので、個々に“革命”に対する想いを持ち合わせている場合は、それぞれがそれを重ねて什么都OK!になるのかもしれない。
むしろ、その辺りをニュートラルなカンジにしてあるので、中華人民共和国のヒトも、中華民国のヒトも、どちらでも受け入れやすい内容になっていると言えるのかもしれない。
というか、孫文自身にそのあたりが“ぬらりひょん”みたいだという評価もあるみたいだし。

「100年先を見た男」

確かに、100年後“2つの中国”どちらからも“革命の父”と尊敬されていると言う事実は、そういう評価に値すると言えるのかもしれない…(イヤミで言ってるんぢゃないですヨcoldsweats01
もっともここ数年で、“2つの中国と台湾の問題”になってきたケドさ。

で、アレだ。
脚本の曖昧さをカバーして観客を納得させるためには、俳優の演技が重要になって来る。
が、趙文宣演じる孫文に、“革命の父”としてのオーラがあるかというと、これが全く感じられないのだ。
彼が“革命”に不審を抱いているペナンの華僑相手に演説をぶって感動を呼び、協力を獲得するというクライマックスシーンがあるのだが、演説内容といい、その演技といい、なんかこう、迫って来るものがないのよね…。
上手に演ってるわよ。
でも、“気”を感じないのよね、このかもめ先輩曰く“色白の堀内孝雄”からは。。。

ホントに力のある演説って、言ってることはよく分かんなくっても“打たれる”モノよ。

と、打たれて今タイヘンなコトになっているワタシが言っておこう。

ホントよ。
演説ってのは、いろんなところに隠し玉忍ばせといて、それでメリハリ付けながらどんどん聴衆を“それしかない!”というところに追い込んでいき、トドメの一発で感涙にむせびながら絶叫させるくらいの構成力と説得力+演説者のカリスマ性がないと、ね。
そうぢゃなきゃ、1年の内実質2ヶ月くらいしかゲイノー活動してない35歳過ぎたアイドル?なんかのコンサートに、タイマイはたいてわざわざ国境を越えて行こうなんぞとこのワタシが思うもんですか!(笑)

まぁ、タイプ・世代の違う二組のカップルの恋愛ドラマとして見るなら、そこそこ楽しめるんではないでしょうか。

字幕については相変らず「ちうごく語の字幕ぢゃないとちうごく語でなに言ってるか分かんないぢゃん!」状態だったが、最後の演説シーンに関しては、もうちょっと工夫すればいいのに…と思ったものだが、レッドクリフほどひどくはなかった。
と、思う(笑)
いや、ちうごく語も半分分からんし、字幕も半分見てないし、なんというか、ムニャムニャなのだが…coldsweats01

しかし、アレだ。
だいたい、字幕の情報量は言ってることの半分くらいになっちゃうと言われるもんだが、孫文が、革命のために命を落とした“兄弟姐妹”と言ったところ、ここもきっちり半分の“兄弟”だけになっていた。

映画の字幕ですらこれだ。
日本の男女共同参画への道は、まだまだ遠く険しい…。

『孫文~100年先を見た男~』一番の感想は、これかしら(笑)

|

« 北京、スイッチ入りました! | Main | 牛肉とイカの焼きそば »

爛漫日記/観賞編」カテゴリの記事

~映画編~」カテゴリの記事

Comments

Post a comment



(Not displayed with comment.)




« 北京、スイッチ入りました! | Main | 牛肉とイカの焼きそば »