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Friday, April 17, 2009

REDCLIFF PartⅠ④  ~萌えツボ~

なんだかんだ言いながら、こんだけいっぱい感想?を書くということは、実は案外気に入っているのかもしれないゾ、レッドクリフ…(笑)

ワタシは三国志オタではないのだが、孫呉には興味のある時期があったのだ。
なので、そこいらの人物関係がどんなふうに描かれるのか、実はとっても興味があった。

まずは、はじめて見る人のために、極めて説明的なセリフから…。

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呉侯(孫権)は、兄君と同じように(周瑜に)接しています。

そう、孫家の子弟にとって、周瑜はおにぃちゃんなのだ。
それはなんたって、権ママが「公謹(周瑜)与伯符(孫策)同年,小一月耳,我視之如子也,汝其兄事之。」(<呉書>周瑜伝、中華書局)って言ってるんだから、いかに孫権といえど、周瑜に対しては弟として、長幼の序をわきまえた態度をとるのが当たり前。

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なので、孫権の周瑜に対する呼びかけは「仲兄」。
2番目の兄に対する呼びかけだが、「二哥」に比べてもっと丁寧な言葉。
孫策のことは「大哥」と呼んでいるので、ホントの身内の孫策よりも、周瑜には気を遣っていることがここから察せられる。
「大哥」が「兄さん」とか「アニキ」くらいで、「仲兄」だと「兄君」とか「兄上」とか、そんなカンジ?

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そんな孫権に、周瑜は臣下の礼をとる。
是時権位為将軍,諸将賓客為礼尚簡,而瑜独先尽敬,便執臣節。」(同前)
孫策が死んだとき、まだ将軍の地位にしかなかった孫権に対し、江南系武人も江北系士人も直ぐには臣従しなかったが、周瑜は率先して臣下の礼をとり、孫権を孫策の後継者として認知させた過去がある。
なので、周りに外に誰がいなくても、孫権に対しては臣下としての挨拶をするのだ。

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それに返礼する孫権の方が、なにやら恭しげというか、周瑜から主君として奉られることに自信なさげというか、この辺りに、東呉の中での周瑜の地位がありありと見てとれる。

そんな二人の萌え萌え微妙な関係には全くお構いなしで、孫権にも周瑜にも“ため口”の孫尚香(笑)
周瑜も孫尚香を“郡主”として奉ったようなモノイイはしない。
この辺りに、家族的な繋がりが見え隠れして、実に楽しい。
そしてその後のシーン。

曹操の降伏勧告を読みもせずに引きちぎる周瑜。
普通の主従の間柄では許されない暴挙(笑)
そして、ホコリをかぶった弓を渡し…。

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「很久没用了吧。走吧!」

ココに来ると、二人は君主と臣下ではなく、“家族”な関係になって会話している雰囲気。
ワタシ的には、ここは「長らく使ってないだろう? 行こう!」くらいのカンジで訳しておきたいところ…。

この場面、孫権と周瑜の関係を描くのに、なかなかに優れた作り方になっていると思うのだ。
先にこのシーンがあるから、その後の孫権の机切りのシーンが生きてくる。
公私の区別が効いて、孫権の君主としての立場と決断が、バチッと出るんですな。
惜しむらくは、日本語字幕・吹き替え共に、セリフからその辺りの関係が消えちゃっていること。

これと対照的なのが、趙雲のこのシーン。

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まだナンのことやらさっぱりもって分かるわけがない阿斗に対しても、「我们走」と調った言葉遣いの趙雲。
字幕の「参りましょう」は秀訳(笑)
このセリフ、胡軍のアドリブなのだそうだが、劉家に臣礼をとる趙雲の、律義にもというか真面目にもと言うか、そういうところでお行儀のいい人物描写として、演技者の造詣が窺える名場面。

こういう“萌えツボ”を押えられているところが、ウダウダいいながらもつい、DVDを買ってまでこの映画を見てしまう理由なのだと思うのよ(笑)

REDCLIFF PartⅠ③  ~日本語訳の罠~

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