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Sunday, April 12, 2009

REDCLIFF PartⅠ③  ~日本語訳の罠~

本日の日曜ロードショー、REDCLIFF PartⅠを吹き替えでちょろんと見て、その余りの緩さに抱腹絶倒してしまった。
字幕は字数制限とかあるし、伝えられる情報も限られてしまうから仕方がないと思っていたが、吹き替えとなるとまた別なんだから、もっとちゃんと訳そうよ。

というか、訳している人が三国志を知らないのがまるわかり(笑)
本来相手をどう呼ぶか、どんな言葉遣いで話すか、そういうことで互いの関係やその場の状況は説明しなくても見る側に伝わるものだが、その辺りにも全く配慮がないし。
中国語で見る人がセリフから得るそういう人間関係の情報が、日本語になったとたんにぜ~んぶオミットされてるもんだから、トモダチにいやに謙ったもの言いしてたり、実はさりげなく見事に説明されてる孫権と周瑜の関係も、そのままスル―ってコトになってしまって、分かるものさえ分からなくなるのだ。
混乱を招くから、とか、出来るだけわかりやすく、とか、ゆとり教育の弊害にこだわらず、あれだけやかましく登場人物にキャプションつけるんだったら、姓名と字を併記して、さらに時に応じて関係も入れたらいいぢゃん。

確かに、関羽が詩経を読みあげて「とうちょうたるしゅくじょはくんしのこうきゅう」と言ったところで、ナンのことやらわからない人も多いとは思うが、「たおやかなるしゅくじょはくんしのよきつれあい」になってしまうと…なんかすんごく格調高くない…。
いや、詩経は格調高いもんぢゃないけどさ。

一番残念だったところは、長坂坡に華容道をくっつけたような、曹操と関羽の絡み。
今となっては、何故あのシーンが必要だったか分かるのだが(笑)、日本語訳では全然なんにも伝わってこっな~い!
あそこは、誤解を恐れず意訳すると「そんなお前に惚れたのさ(今でもお前を待っている)」(曲訳やん!)という、曹操の熱いメッセージが込められたシーンなのに…。

以下、SAKURAKO訳でお届けしマス。


「投降すれば殺さん!」
「跪け!」

「無礼はならぬ!
雲長、賢臣は主を選んで仕えるもの、どうしてそなたが劉備に愚かなる忠節を捧げねばならぬのか?」

(無言の関羽)

「まだ跪かんか!」

(関羽、暴れる)
(曹操にんまり)

「丞相を守れ! やつを殺せ!」

「手を出すでない!」

(見つめ合うふたり、去ってゆく関羽)

たったこれだけだが、このシーンから「あらら、劉備は呼び捨てなのに、関羽は字で呼んぢゃうのね。」とか、「やっぱりリスペクトなのね~。」とかあって、二人の間の意味深な無言から妄想想像をふくらませていけるのに、吹き替え版の日本語訳ではそこいらが全く出てないのだ。

その後のセリフは、PartⅠを見た時にはスゴく不可解だったが、PartⅡまで見たら、無理やりあそこであのセリフを言わせずにはおれなかった脚本家の気持ちも分からないでもない(笑)
なにはともあれ、ここで曹操は関羽の人となりをよく知っており、二人の間にはそれなりの過去があり(笑)、その上で口説いていることがきちんと描かれているのだ。
たとえ関羽が赤兎馬に乗っていなくても(爆)
それがあるから、関羽はナニも言わなくても、関羽の方にも曹操を殺せないナニかがあるのね~と思わせぶりぶり、妄想想像の翼がバサバサと大空に羽ばたいて、誰かとめて~!(笑)

と、こんな具合で、結局何が言いたいかというと、REDCLIFF、日本語訳しょぼ過ぎ!(笑)

REDCLIFF PartⅠ② ~魅惑のテリテリ~

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Comments

私も後半ちょこっと観ました。

趙雲の阿斗救出シーンとかアクション主体の映画ですね。
英雄同士の心の機微を描くことには全く主眼を置かず、ひたすらドカーン、バキューン。
吉川英治が観たら大爆笑だったでしょう。

それにしても周瑜ってあんなに強かった?それに美がつくほどのイケメンだったはずなのに…

曹操の疫病蔓延策なんて赤壁の戦いにあったという記憶はないし、劉備はオッサン過ぎて若々しさがまるでない!

小喬が曹操の元に行くシーンとか物語には無かったはずだから無茶苦茶ですね。

更に曹操と関羽の対話、本当はあんな感じでは無かったはず…曹操の豪傑好きは有名ですが、関羽には部下では無く、劉備のような義兄弟的な付き合いがしたかったように思えてなりません。

後の戦で関羽は、一度借りた義理を返すため、孔明の厳罰を覚悟で曹操を助けてしまう…禍根を残すのだけれど、関羽の関羽たるゆえんなので誰も文句は言えません。

三国時代の末期、呉の罠で捕らえられ、養子の関平とともに殺された関羽。
怒りまくった劉備をなだめる術を失った孫権は、関羽の首を魏の曹操に送ります。

確か未だ曹操は生きていたはず…その悲しみは半端じゃなく丁寧に弔われ、蜀に送られたとか…私は小賢しくセコイ呉(周瑜亡き後)のやり方は大嫌いです。

Posted by: こぶちゃん | Monday, April 13, 2009 at 03:54

周瑜は強くてぜんぜんokですgood
ただ、トニー・レオンが47歳というのはいただけませんが(笑)

劉備がオッサンで諸葛亮がコゾウというところも、ワタシ的には非常に好感が持てます。
実年齢を考えたらあんなもんでしょう(笑)
そして、劉備のタヌキぶりも、あんなものかと…(笑)

趙雲は、胡軍ちゃんと芝居をしていると思いました。
諸事控え目で、お行儀のいいあの趙雲は、好感度大です。
脚本的には、あの団子シーンはあり得ない!と思ってマスが(笑)

曹操については、その人材収拾マニアぶりとか、文化人としての一面とか、おまけがいっぱいついているのに、紹介記事や日本語字幕からはそういうものがスッポリと抜け落ちてしまってて、気の毒なくらいです(笑)

結局のところ、赤壁には膨大な前史があるわけで、この映画がそれをきちんと説明出来るほど練られてないことは明らかですが、知ってるヒトには分かる演出も、日本語に翻訳される際にすべてオミットされてしまって、ますます薄っぺらくなっているのが気の毒だなぁ~と思うところです(笑)

小喬については、脚本・設定に無理があり過ぎ(笑)
陳寿が書いたものと照らして「正史と違う!」とか言う気は毛頭ありませんが(むしろ、その辺りも笑いのネタ)、常識的にムリ!(笑)
孫尚香は、花木蓮とか楊門女将とかの流れで、中国だったらありえるキャラだとは思いますが、潜入捜査はやり過ぎ(笑)
女性も出したかったんだと思いますが、彼女たちの存在でストーリーにリァリティが無くなっていると思います。

そう、リァリティ。
歴史物をやったら考証をどの位入れるかというところでいろいろと意見は出てくるものですが、ジツはそうだったんぢゃないかと見るものに思わせるくらいの説得力を持ってないとダメだと思います。
レッドクリフの場合、個々のエピソードに必然性がないものが多く、それに徒に時間をとって、ダラダラと長いのが一番問題かな、と思います。

Posted by: SAKURAKO | Monday, April 13, 2009 at 10:50

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