« お節のしあわせ | Main | 犬猿の仲 »

Monday, January 02, 2006

いたりあんの“い”

その昔、夜になると空襲警報が鳴り響き、キミのワルい赤とんぼがそこかしこと飛来していた頃、まだパスタという言葉は殆ど聞いたことがなく、もちろんタリアテッレだのフェトチーニだのフリジだのファルファッレだのだのというものの区別もつかなかった頃、スパゲッティと言えば、ケチャップ味のママースパゲッティだった。
なので、はじめてそこでボンゴレ・ビアンコなるものを食べたときには思ったものだ・・・。

「このスパゲッティ、まだ芯があるね。茹で時間が足りんかったんぢゃない?」

今思うに、これが、ワタシと“アルデンテ”のファーストコンタクトだった・・・。

とあるビルの2階の、ちょっと隠れ家的なそのお店のたった一つ設けられた窓から食事の間にながめる8月16日の花火は、花園の年中行事の一つだった・・・。
アクア○ッツァでも、サ○ァティ-ニでも、いま一つ満足出来ないその理由は、“洋食不毛の地”と言われたここいらに、なんとかホントウのイタリアンを!という熱い想いで挑んだおひげのシェフの、その一皿のボンゴレ・ビアンコだとワタシは思っていた・・・。

思っていたのだが、今日、250年ぶりくらいにそのお店でいただいた料理に、ワタシはその郷愁に満ちたボンゴレ・ビアンコの思い出に、おもいっきし水で割ったような白ワインをかけられたキブンである。
冷や水キブンはイロイロあるのだが、イチバンひどかったのが、なすのグラタンである。
このなすのグラタンというのも、その頃はマカロニグラタンがグラタンだと思っていたワタシのグラタンに対する既成概念を根底から覆した一品だった。丁寧にたまねぎをいためて作られたミートソースの甘みが、なすと絶妙のハーモニーを奏でていた。
それが今日は、薄っぺらなナスにトマトの水煮缶を重ねて最後にとろけるチーズをかけて焼いたような、そんなシロモノで供せられた。
・・・ショック!である。
モチロン、アルデンテの原体験も、完膚なきまでに記憶の奥底へと深く深く沈められた。
おうちで作ったほうが美味しく出来るというのはイタリアンのお約束だが、ファミレスよりも・・・ーー;というのは、ちょっと、悲しすぎるかも・・・。

ワタシがイタリアンの“イ”と出会ったお店は、どうやらお店が表通りに面した一軒家に移転した時になくなってしまったらしい・・・。

|

« お節のしあわせ | Main | 犬猿の仲 »

飽食日記/おそとでゴチソウ!」カテゴリの記事

Comments

Post a comment



(Not displayed with comment.)




TrackBack

TrackBack URL for this entry:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/14480/7967117

Listed below are links to weblogs that reference いたりあんの“い”:

« お節のしあわせ | Main | 犬猿の仲 »