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Tuesday, April 12, 2005

お幸ちゃまのおごちそう

26
お幸ちゃまはときどき、とんでもないおごちそうをお召し上がりになっていらっしゃる。
このおごちそうは、M山で最も高額なお食事券を発行しているらしい某料理屋から調達されるのであるが、普段召し上がっていらっしゃる入賞銘柄牛のキレハシなどというのは、お幸ちゃまにとっては最早おごちそうでもなんでもなかったりする。

時に飯炊きばあやが、このお幸ちゃま用のお肉のキレハシをピンハネして、自分たち用のおでんなどに流用したりしているらしいが、お幸ちゃまはこれに対し頗る寛容で、特にナニもおっしゃったりしない。
何故ならば、お幸ちゃまのホントウのおごちそうは、瀬戸内の海を知り尽くした名人が一本釣りで釣り上げた、厳選素材の鯛や平目や季節ものでは河豚やらアコウやらであったりするからだ。

今日も今日とてお幸ちゃまには、桜鯛とも言われるように、海老をいっぱい食べて育った、今が最も美味しい時期のお鯛さんに、牡丹の花のように透明な身をはじけさせた伊勢海老さまさま、そして、えも言われぬ光沢を放つぷりっぷりの平目さんを、まだ死後硬直が始まらないくらいの新鮮さの“お造り”で召し上がられた。先日ワタシが某お寿司屋さんでいただいたお鯛さんには、その身に養殖の証である黒い筋が幾筋か認められたというのに、お幸ちゃまが召し上がるのは正真正銘、特別ルートでその店が買い占める市場には決して出ない、最高級の天然モノである。
それを知ってか知らずか、お幸ちゃまは、このお鯛さんやら伊勢海老さまさまや平目さんやらを、喉をならしてお召し上がりになる。
今日はお散歩じいやが手渡しでお幸ちゃまにこのおごちそうを差し上げたのだが、お幸ちゃまは歯を立てたりすることもなく、上手にこのおごちそうをぺろりと召し上がって、おまけにお散歩じいやの手をペロペロして、それでもって、お手をこう、上下に動かされてお次を催促される。
この“お造り”だけでは、とても満腹はなさるまいと、間に一掴みほどカリカリまんまも召し上がっていただいたのだが、お幸ちゃまにはおりこうにもこのカリカリまんまもきちんと召し上がられ、そして、“カリカリも食べてあげたのだから、早くお刺身おかわりでしゅ~”とばかりに、またまたお散歩じいやに“お造り”を御所望なさるのである。

女王さまは、このお幸ちゃまが嬉しそうにお散歩じいやから“お造り”を召し上がっていらっしゃるご様子をご覧になり、実にご満足に思し召されたごようすである。
実は、お散歩じいやがお幸ちゃまに手渡しでご飯を差し上げるのは、これが始めてだったりしたのである。
ワタシなどは、このようなおごちそうの時にはたいがい手渡しなのだが、意外にもお散歩じいやはそうではなかったらしい・・・。
そんなお散歩じいやに、今日は女王さまより直々に、手渡しでお幸ちゃまにおごちそうを召し上がっていただくようご下命があり、お散歩じいやはそれに従ったのである。

こうしてお幸ちゃまは、今日も瀬戸内の至宝を堪能された。
四国犬は粗食によく耐えるお犬であるらしいが、お幸ちゃまを拝見している限り、美味しいものの本質をよくご理解していらっしゃるようである。
そして困ったことに、お幸ちゃまにも女王さまと同じで、経済観念というものがおありにならない。
今日召し上がられたものが、特別なおごちそうであるということは、お幸ちゃまにはあまりご理解いただけない。
明日もまたこのように美味しいものを期待されても、次は何時になることやら・・・というあたりが、なかなかお分かりいただけないのである。
お幸ちゃまがこのようなおごちそうに邂逅するには、幾つかのめぐり合せとラッキ~が必要なのである・・・。


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