清経

宇部市と楠町というところの合併記念公演があるというので、シルヴィと一緒に出かけてきた。
そこは、渡辺翁記念会館というホールで、なんでもこの渡辺翁という人は炭鉱王なのだそうだ。
そこでは、普通の舞台にちょっと上げ底して能舞台が設けられていた。
花園別園のあるトコロは原発成金の町なのだが、そこに町民ホールが完成したときの町長の挨拶を思い出す。
「イロイロな人に意見を聞きましたところ、せっかくだから能が上演できるくらいのスペースを取ってはどうかという人も中にはおりまして(笑)、それではサスガに、客席の半分がなくなってしまいますので・・・」
もしかして、この能舞台が仮設できる舞台か否かが、その自治体の文化水準を計るバロメーター?
しかし、観客は決して能楽鑑賞には慣れていなかったモヨウ・・・。
今日の演目は・・・
仕舞 山姥 平野元章
仕舞 井筒 梅若六郎
狂言 萩大名 大名 茂山千作 太郎冠者 茂山千三郎
庭の亭主 茂山千之丞
能 清経 平清経 大槻文蔵 清経の妻 武富康之 淡津三郎
大鼓 大倉慶之助 小鼓 横山幸彦 笛 藤田六郎兵衛
仕舞が始まって5分が過ぎたあたりで、右隣のオジさんのイビキが聞こえてきた。
左隣のおねーちゃんも、目をつぶっている・・・。
茂山千作は、ちょっと、枯れ過ぎ?
今日は、なんとなく声がかすれていた。
人間国宝にだって、セリフをとちることはあるらしい。
来月の「人間国宝の会」というのでも、萩大名を演ることになっていて、これも見に行くことにしているのだが・・・。
清経は・・・なんともイロっぽい清経であった・・・ホロリ。
立ち姿が、なんとも哀愁を帯びて、なるほど平家の公達であれば、戦に赴いたとはいえ、かくも麗しく・・・。
ボーレイになって妻のもとに帰ってくるというのも、なんともかんともホロリホロリ・・・。
なんと唄っているのかはさっぱりさっぱり、京劇を字幕ナシで聞くのとどっちがわからんやろ~(^^;の世界だったが、清経が、神仏にも見放された有様を語るくだりあたり、ツツーっとナミダが頬を伝うのだった・・・。
いいわいいわ、お能もいいわ♪
そう思って炭鉱王記念会館を後にしようと思ったそのとき、はっとわが目を疑った。

清経って、清経がタイトルロールなんじゃ・・・(^^;
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